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「プリキュア」EDダンスから見る技術、演出の変遷と3DCGアニメの可能性 7/5 [アニメCG]

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前回「プリキュア」EDダンスから見る技術、演出の変遷と3DCGアニメの可能性 6/5

「プリキュアエンディングムービーコレクション」によってノンテロップかつ高画質な映像が観れたため以前では気付かなかった様な細部の演出などが色々と出てきたので5作まとめて修正ないし追記という事で記しておこうと思う。

とその前に近況報告的なものを。
ご存知の人もいると思うが先月の初旬に「御本人特定される」という予想外の事が起こってしまい、アクセス数の急激な変化によりこんなへんぴなブログがyahoo-buzzニュースの時間帯トップ、so-net blogデイリー1位という意味不明な事態になり、多くの人に読んでもらえた嬉しさもあるが突然の事態による戸惑いもあり、若干焦った。しかしながら本人に読んで頂けた事は何よりも嬉しい反面、こちらとしては半分以上を妄想と推測で書いているような文章なので恥ずかしい事この上ない。嬉し恥ずかしとは正にこの事。そして何より私自身twitterをやっていないので何のアクションも起こせないのだが、twitterをやっていない事を心底後悔したのは言うまでも無い。まあ、twitterのあの形式は性分に合わないのでそれでも使うつもりはないのだが。それに仮に利用していたとして本人を目の前に一体何を言えば良いのか。うん、無理。


「フレッシュプリキュア」
前期ED 「You make me happy!」
後期ED 「H@ppy Together!!!」

試行錯誤のあった初期のEDダンス故にカメラの動きの少なさと引き絵の多さで地味な印象が強い前期EDだが、その反面キャラ毎の振り付けの違いが良く分かる様にもなっている。本編を観たことがないので推測の域を出ないが、それでも振り付けの差異から滲み出るキャラクターの性格が感じられるようなものになっている。

後期EDではサビでのステージがケーキ型になっている事に今更気付き、ケーキにデコレーションされているフルーツがプリキュア4人の、引いては「フレッシュプリキュア」というタイトルにも関係しているという事にも本当に今更ながら気付いた。
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「ハートキャッチプリキュア!」
前期ED 「ハートキャッチ☆パラダイス!」
後期ED 「Tomorrow Song~あしたのうた~」

「プリキュアエンディングムービーコレクション」についての感想を書いた際「ハートキャッチ☆パラダイス!」について言及していたが改めて書いておきたいと思う。と、その前にEDダンスシリーズでの「歯」の演出については「スイート」の頃から見えるようになっていたとしていたが、今回BDで確認してみたところそれは覆された。実は「ハートキャッチ☆パラダイス!」の時点で既に歯は見えていたのである。もっと言えば歯のモデリングがされていたのであり、要は口内のモデリングも抜かりなく行われていたという事である。

「ハートキャッチ☆パラダイス!」では来海えりかが歯を見せて笑顔になるカットが2回ある。そしてその歯を見せる笑顔は他のEDダンスの笑顔とは違い、来海えりかの性格に基づくモノになっている。
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ここの表情も素晴らしい。

歯を出して悪戯っぽく笑うこの笑顔によってそれだけでその個性、人間性が表現できており、キャラクターのEDダンスに対する立ち位置が表れるある種メタ構造とも言える面白い演出にもなっている。この歯の演出に気付いたときは本当に驚いたが、それ以上にたったコレだけの些細な演出がEDに対する印象そのものを大きく変えてしまった事には改めて考えさせられてしまった。「ハートキャッチ☆パラダイス!」は全EDダンスの中でも最も好きなEDだが、今回「歯」の演出が判明したことによりその地位はますますもって不動のものとなった。

後期EDはBDで観た人は分かるだろうが他のEDに対してこれだけモデルのジャギーが目立つようになっており、そのせいで場面によっては背景から浮いてしまっている事もあるのだが、輪郭線がはっきりしている分異様なまでに立体感があるので他のEDに比べて解像度が高く見えるようになっている。特にサビの部分は極彩色の背景と相俟って本当に綺麗である。そしてここでもえりかの悪戯っぽい笑顔が発見できる。

「スイートプリキュア♪」
前期ED 「ワンダフル↑パワフル↑ミュージック!!」
後期ED 「♯キボウレインボウ♯」

前期後期含め改めて観てみたが、スカートの揺れでは「スイート」が一番である。多層のスカートとペチコートで構成されている「フレッシュ」「スイート」、特異な形の「ハトキャ」「ドキドキ」、一般的な形状の「スマイル」。「スイート」では素材の柔らかさが感じられるような表現が出来ており、それによって重なっている層毎に躍動感のある動きが再現できている。キュアミューズのバルーンスカート含め「スイート」のスカートの揺れは見ていて本当に気持ちが良い。前期は特にその揺れの良さが分かる。
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これは後期にも言える事なのだが、BDで改めてよく見てみると「スイート」では歯が見えるカットがかなりある事が分かる。特に後期では下の歯もモデリングされており意図的に見せているようなカットも散見される。ただ、歯が印象的だったドキドキ後期「ラブリンク」と比べると「スイート」では歯が「見えている」のに対して、「ラブリンク」では歯を「魅せている」という演出の違いがよく分かるようになっているのは面白い。

後期ED「♯キボウレインボウ♯」ではクレジットが無くなった事により、サビの引き絵でアイコンタクトを行っている事が確認できたのは大きな収穫である。それと、「ハピチャ」EDで前髪の揺れについて言及していたが、「♯キボウレインボウ♯」のキュアメロディを見る限りこの時点で前髪の揺れはかなり再現できたようである。この見落としは我ながら無い。そして今更ながらキュアミューズの笑顔の破壊力に気付かされる。
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「スマイルプリキュア! 」
前期ED 「イェイ! イェイ! イェイ!」
後期ED 「満開*スマイル!」

「イェイ! イェイ! イェイ!」のAメロでのキュアピースが冷や汗をかいているカット。今まで何故冷や汗をかいているのか分からなかったのだが、何のことはない。スクリーンに映っている自分の様を見た事による反応だったのだが、これも我ながら気付くのが遅すぎる。
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「ドキドキ! プリキュア」
前期ED 「この空の向こう」
後期ED 「ラブリンク」

「ドキドキ」に関しては以前書いた記事で誤解があるかもしれないので一応フォローとして。
前にも書いたが「ドキドキ」の両EDに関しては映像のレベルが非常に高いという事を前提としており、その構成について若干ネガティブな事は書いてはいたが基本的にはどちらも本当に気に入っているという事ははっきりしておきたい。特に「この空の向こう」はテクノポップが好きという事も含め「フレッシュ」以降としては完成度が一番高いと思っているし、見た回数も恐らくこれが一番だからである。それは今回BDで改めて観てより確信した事でもある。

gif.gifプリキュアEDが他のアニメCG作品に対して突出している点としてモーションの再現性の高さが挙げられるが「この空の向こう」での「♪何を見て何を感じている?♪」におけるキュアソードの動きは「ハピチャ」が放送されている今なおプリキュアEDダンスのモーションのレベルの高さを代表するものだと思う。右手のポーズに伴う身体の僅かな沈み、足のステップに伴う重心移動の自然さ。何より見ていて気持ちが良い。

前回の「ラブリンク」の時に書き忘れていたのだが、モーションの再現性という点で歴代のEDダンスにおいて私が最も気に入っている部分が「ラブリンク」にはある。それは「♪奇跡起こるよ♪」における「太もも」部分の僅かなブレである。「フレッシュ」の時から身体の揺らぎ、ブレといった部分のモーションの再現性について何度も言及してきたが、この「♪奇跡起こるよ♪」における太もものブレはその最たるものだと言っても良いだろう。

また、4人の顔のモデルを比較してみるとそれぞれ眉毛、目、口の形が違っており表情のつけ方もキャラ毎の性格に合わせた様なものになっている事が分かる。
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「ハピチャ」でも書いたが、気付いた人も多いだろうが前期と後期では肌のルックが変わっており後期では前期にあったフィルターが無くなっているのでよりベタ塗りに近い質感となっており、セルルックらしさに伴い解像度が上がったような発色の良さになっている。個人的には前期の透明感があり絶妙な立体感を感じさせる肌の質感が気に入っているのだが。
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そして大事な事を一つ。
先日発売された「プリキュア10周年公式アニバーサリーブック」。EDダンスのCGについて書かれているらしいので購入してみたのだがそこにはとんでもない事が書かれていた。

『後期「ラブリンク」ではフェイシャルキャプチャーシステムを使用』。

合点がいった。
というか何故気付かなかったのか。「ラブリンク」でのキュアハートの表情をして「フェイシャル部分のリグというか、モデリングというか、もう顔の部分を総入れ替えしたのではないかと思うほど表情が豊かになっているのである。」などと書いていたが、正にその通りだったとは。普通に考えれば「ラブリンク」でのあの全編にわたる表情の豊かさは物量的に全て手付けで行うのは非常に手間であり、キャプチャしたという方が寧ろ自然である。プリキュア新聞2014年春号ではnewstage3の制作についてデジタル映像部の日向学が「前回からフェイシャルキャプチャーを導入しています。」と言っているが時期的に考えても「映画 ドキドキ!プリキュア」でもフェイシャルキャプチャは行われているのだろう。因みに「ラブリンク」では歌っている吉田仁美の表情を撮影しキャプチャしているらしい。

しかし、そうなると俄然話は変わってくる。というか実のところ今回の記事の目的はコレを言うためだけに書いたようなものである。4月10日に発売される「CGWORLD 2014年5月号 vol.189」。その中で現在放映中の「ハピネスチャージプリキュア!」のEDダンスについての解説が掲載される事になっているが、発売される前にここに記しておこうと思う。

「ハピネスチャージプリキュア!」のED「プリキュアメモリ」では99.89%の確率でフェイシャルキャプチャが導入されている、と。

合点がいった、とはそういう事である。正直CGWORLDの「ハピチャ」記事は読みたい衝動に駆られる反面、試験の答え合わせをする様であまり気が進まないのだが、まあ間違いなく発売日に買って読んでしまうだろう。因みにプリキュア新聞 2013年秋号には振り付けを担当したMIKIKOの貴重なインタビューが2面にわたり掲載されており、非常に読み応えがあるので是非ともオススメしたい。

今回記事を書くにあたって何度か通しでBDを観てみたが、「フレッシュ」の時点での制作スタッフの意識の高さ、そして「ラブリンク」までの技術、演出の変遷を見ているとそのレベルの高さに改めて気付かされる。その制作スタンスの違いから単純に他作品との比較は出来ないが、それでも明らかにプリキュアEDダンスの3DCGは頭一つ抜けている。通しでEDを観ていると何かスゴイものを観ているような感覚に陥ってしまい、正直ちょっと感動してしまった。この感覚はこの前のCINEFEXでの「ゼロ・グラビティ」の記事を読んでいた感覚に近い。これは3DCGのEDダンスが5年という歳月を重ねている事も大きいのだろう。今回BDで観たことによりEDダンス映像という以前に一つの映像作品としてより一層愛着が湧いてしまった。しかしながら今回7つ目の記事という事で当初はこんなに続くとは思っていなかったので、こんなことなら普通のナンバリングにしておけば良かったとこれまた今更ながら後悔(泣)。

続き「『Go!プリンセスプリキュア』のEDダンスにおける技術、演出の変遷と3DCGアニメの可能性」

1/5 フレッシュプリキュア!
2/5 ハートキャッチプリキュア!
3/5 スイートプリキュア♪
4/5 スマイルプリキュア!
5/5 ドキドキ!プリキュア
6/5 ハピネスチャージプリキュア!
『Go!プリンセスプリキュア』3DCGモデルによるセルルック表現

参考資料
・プリキュア新聞 2013年秋号
・プリキュア新聞 2014年春号
プリキュア10周年公式アニバーサリーブック
エンディングには新技術も、『映画プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち』永富大地プロデューサーに聞く

special thanks
アイカツ!・AKB0048・プリキュア・プリティーリズム・ラブライブ!の3DCGIステージライブ!

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「アイカツ!」第71話 霧矢あおいの「prism spiral」にみる振り付け。
「アイカツ!」アニメ3期における3DCGライブ演出の展望。
「アイカツ!」第103話 氷上スミレの「タルト・タタン」での3DCGライブ演出。
「アイカツ!」アニメ3期の3DCGモデルに見られる変化
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『アイカツ!』第123話 大空あかり「Blooming♡Blooming」における3DCGライブ演出。
『アイカツ!』第124話 北大路さくら「Blooming♡Blooming」におけるセルルック表現。

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「ラブライブ!」ライブシーンの3DCGの演出について
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「プリパラ」における3DCGのライブステージ演出。part.1
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pcf

はじめまして
いちプリキュアファンとして楽しく興味深く読ませていただきました。
一年前の記事ですので管理人様のプリキュアに関する知識などもずいぶん違ってきていると思いますが、EDで特に本編との関わりが強い事柄についていくつか。

フレッシュプリキュアですが他シリーズとはEDダンスの位置づけが多少違っています。
本編で彼女たちはクローバーというアマチュアのダンスユニットを組んでいるんです。
したがって前期後期は本編のクローバーの成長にあわせて振り付けも難度をあげている、とみるのが自然かと思います。
You make me happy!とH@ppy Together!!!ですが他シリーズの前後期の曲と比べると似た雰囲気かと思います。
これも本編で彼女らがダンスをするときに流す曲ですので、いわゆるプリキュアらしい元気な曲ではなく、「クローバーの好みである」よりおしゃれな感じの曲になっているかと思います。
さらに前期曲のYou make me happyには珍しく歌詞にプリキュアという単語が入っておりません。これは曲が本編内の前期でもダンスのバックで流れるのでそんな単語が入っていては不都合なためです。
H@ppy Togetherには「P・R・E・C・U・R・E」という歌詞があります。
実は本編でのフレッシュは時間とともに町の人たちからヒーローとして扱われ始めるため、歌詞にプリキュアという単語が入っていても問題ない状況になります。

ちなみに振り付けの前田健さんも準レギュラーとして声優で出演しております。

フレッシュは作画にやや難がある以外は全編通して楽しめる作品かと思います。興味を持たれましたらぜひ。

またドキドキでソードがセンターなのは彼女が本編では人気アイドルという設定だからです。
声をあてているのはプリキュア5のEDを歌っていた宮本佳奈子さんです。

長々と失礼しました。
by pcf (2015-09-07 23:23) 

smith

>pcf さん

すみません、最近更新をサボっていたので返事が遅れてしまいました(汗)。こちらこそ昔の記事なのにコメントして頂きありがとうございます。

恥ずかしながら未だに過去作はあまり観れていなくてオールスターズのシリーズ6作と他の劇場版を幾つかという感じです。フレッシュのED曲は劇中でも使われているとの事ですが、なるほどそれなら色々と合点がいきました。

フレッシュでは「ダンスを踊るED」それ自体が本編の延長であり密接に関わっているという事なんですね。ダンスが本編を構成する一要素であるフレッシュプリキュアだからこそのダンスEDであり、ただ単に目新しさや派手さを狙ったワケではない、と。これは確かに本編を観なければ全く分かりませんでした。非常に助かります。

フレッシュは突出した要素は無いが手堅い作りの作品だという評価を良く見るので是非見たいと思っています。他のシリーズ作も勿論ですが(笑)。周囲に認識されヒーローとして扱われるプリキュアというのも興味深いですね。


by smith (2015-10-12 22:49) 

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