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「プリパラ」における3DCGのライブステージ演出。 ※修正・追記 [アニメCG]

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ポップ・ステップ・ゲッチュー!

※7月20日更新 
モーションについての部分へ追記

※7月19日更新
先日、私用の為取り急ぎ記事としてまとめたのだがあまりに適当過ぎたので加筆修正することにした。既に読んで頂いた人には申し訳ないが再読する価値のある内容にはなっていると思うので。

アイドルアニメ「プリティーリズム」シリーズの流れを汲む後継作品「プリパラ」が放送された。当初は主人公の「らぁら」が小学生設定ということから、これまでのシリーズとは路線が変更されてしまうのではないかとかなり心配だったのだが第1話を観た限りではどうやらそれは杞憂に終わったようである。

今年の春先に終了した前作「プリティーリズム レインボ-ライブ」後に本作「プリパラ」の充電期間として4月から放送された、シリーズ3作品を振り返る「プリティーリズム オールスターセレクション」を経ていよいよ放送と相成ったが、言うまでもなく私の関心事はライブパートにおける「3DCG」である。数あるアイドルアニメの中でも群を抜いてセルルック表現、つまり手書きアニメ風の3DCGアニメ表現が成功していたシリーズ作品故に本作では一体どこまでの表現が可能になっているのか、期待で胸が膨らむ一方で上記の「小学生設定」含めこれまでと代わり映えのしない、寧ろ期待を下回るようなモノが出てきてしまうのではないかという心配もあった。

「ハピネスチャージプリキュア」放送前の時も全く同じだったのだが、手書きのアニメというのは既に「優れたアニメーター」が数え切れないほどいる以上、それらは個人の技量がクオリティを左右するものであり、またそれ以外にもこれまでに蓄積されたノウハウも存在している。2コマ打ち、3コマ打ち、つけPAN、背景動画、透過光、板野サーカスetc...。これまで積み重ねられたアニメの作画の技法はそれぞれが演出上でどのような効果をもたらすかという事が明確になっているので、アニメーター個人の作風という大きなファクターがありながらもそれらに左右されない確固たるモノとして確立していた。

一方3DCGというのは基本的に日進月歩の世界であり特に日本に特有なセルルックなアニメCGというのはまだまだ未完成である以上、決定的な表現というものが存在しない。各製作会社毎に使用されているソフト、その制作プロセスは異なりそもそも作品毎にアイドルアニメに対するアプローチ、スタンス、演出、技法が異なる以上確立した技法というモノ自体の存在が難しい。そのため「ハピチャ」「アイカツ」「ラブライブ」等そして本作にしても3DCGのキャラクターが前面に登場する演出が確定しているアニメの新作と言うのは観る前は常に期待と不安が入り混じってしまうものである。まあ、だからこそこちらの期待を上回っていくるようなモノを見せられるとただただ感動してしまうのだが。

「プリパラ」(14年) 第1話 「アイドル始めちゃいました!」
ライブステージ曲「Make it!」
登場キャラクター 真中 らぁら(紫髪)、南 みれぃ(金髪)
CG制作:タツノコプロ CGディレクター:乙部善弘 

結論から言えば本作「プリパラ」の3DCG演出は素晴らしかった。
でなければ単体で記事など書かない、というのは野暮か。先ず曲が良い。OP曲である「Make it!」の流用ではあるがこれによってOP曲自体を印象付けられるので寧ろ良い判断だと思う。イントロのエレキのメロディラインとベースが刻むリズム、高いBPMによってキャッチーでアクティブな非常にノリの良い曲になっている。多分CD買うかも。

さて、3DCGモデルについてだが前作「レインボーライブ」からの変更点が幾つかある。
一つは筋肉表現の追加。
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前作で一番違和感が大きかったのがこの腕の表現だったのだが、腕を曲げた時の膨らみがかなり自然になっているので棒人間的な違和感がかなり軽減されている。まだ多少違和感はあるが注視するレベルなのでそこまで気にはならない。また、顔以外の部分の肌の質感と言うのは画一的、無機質になりがちなのだが、上の画像を見る限りでは肘の部分に赤みとハイライトが入っているように見え、これによって立体感を出さずに身体の丸みや温かさが表現できている。そういえば顔以外での肌の部分にハイライトを入れるのはアイドルアニメにおいて本作が初なのでは。

赤みとハイライトといえば、顔の部分に前作では部分的に使用されていたチークとハイライトが本作では常時入るようにもなっている。
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これは「ハピチャ」の時も書いたがチークが入るとそれだけで口角が上がっているように見え、結果として笑顔がかなり自然になるのだが本作でもその効果の程は確かなものだった。前作までは口から上の表情が基本的に動かないので口は笑っていても目が笑っていないという状態になっていたがこれによって大分良くなっている。口の形も種類が増えそれによって笑顔の種類も増えていることがこの1話だけでも分かる。前作までは基本的に半月の形の笑顔が殆どだったのだが、本作ではより角度のついた三日月な形の笑顔が表現できている。また、みれぃ(金髪)の口元を見てみると所々で猫口になっていたりとモデル自体で個性を表しているのも見て取れる(ただ、これに関しては角度のせいでそう見えるだけなのかも)。

また目の形状が変更され、まあこれはキャラデザに依存するものなのだが前作が実際の眼球の構造と似たような黒目を中心としたデザインだったのに対し、本作では白目を中心として扇形に色が濃くなるという特殊なデザインになっている。真ん中、左が前作。右が本作。
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前作「レインボーライブ」に限らず黒目を中心としたデザインの場合、黒が色として最も強い以上黒目部分の印象が強くなってしまうので、特に画像真ん中の彩瀬なるのデザインなどはホラー、サスペンス表現における黒目を小さくした表現と同じなので、目だけを見てみると結構不気味である。それを考えると今回のデザインは「小学生設定」という事を踏まえてもセルルックのアニメCG的にも相性が良いように思える。

それ以外としては揺れモノが増え、特にらぁらは頭からつま先までリボンとフリルまみれである。らぁらの特徴的かつ巨大なツインテールのような大きな髪のモデルはシリーズ初となり、恐らく揺らし方に苦慮したのだろう、まだまだモノとしての動きが多分に見られるが不自然と言う程でもない。興味深かったのがらぁらの胸の大きなリボンに衝突判定が設定されており、
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細かい点ではあるがこれによりモデル同士がめり込んだりせず「作り物感」を出さないようにもなっている。上の画像では腕の動きの距離に合わせて胸のリボンが動くようになっている。

3DCGモデル自体への言及はこれ位だろうか。正直モデルそれ自体は前作とあまり変わりはない。そもそも見た目に関しては前作の時点でセルルックとして結構なモノになってはいたので「プリキュア」のように路線を変えない限り大幅なモデルチェンジというのも難しい。横顔が相変わらずの狐顔だという事を除けば特に不満は無い。
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因みにこの狐顔。何故こうなってしまうのかと言うと、そもそも3DCGモデル自体がこういうデザインになっているのだが、正面からの顔のアングルにおける鼻の輪郭線の表現からくるものなのである。本作での鼻の輪郭線の表現は鼻の頭の僅かな部分に留まり、顔のアングルに合わせて自動で変化するように計算されている。そのため顔の角度が一定量を超えると鼻の輪郭部分が顕わとなり狐顔になってしまうのである。
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この鼻の輪郭線の問題は本作に固有の話ではなくセルルックなアニメCGを扱う作品全てが直面するものなのだが、とりわけ鼻のデザインが尖っている本作においてはそれが顕著に出てしまっている。実はこれは前作の時点で既に存在していたものであり、本作の3DCGモデルが前作の基本構造を踏襲している事の証左でもあるのだが、「アイカツ」がこれを上手く処理しているのを見るにもう少し何とかならなかったのかと思ってしまう。横顔のアングルが少ないとはいえやはり気にはなってしまう。あと、この角度による輪郭線の変化の表現は鼻だけでなく髪、腕、脚など多くの部分に使われているので注意して見てみると面白いだろう。

あと、不満というにはアレなのだが、らぁらとみれぃのスカートを見てみるとそれぞれ多層構造になっていたりペチコートを履いていたりしているのに動きが全て固定されてしまっているのが残念。
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前作から期間があっただけに、そしてこういった構造のスカートを採用しているのならばそれぞれ独立して揺れるようにして欲しかったのだが、こんなことを言っているのは自分だけだろうと思うので仕方が無いか。余談ではあるが、みれぃ(画像右)が履いているような縦にラインの入ったデザインのスカートというのは横への揺れが視覚的に良く分かるようになっており見ていて非常に気持ちが良い。まあ、3DCGモデルについては結果としてマイナーチェンジに近い(印象ではある)がそれ以外の要素も良くなっているのでどうという事でもない。

先ず、モーション。
前作からの流れを考えれば、そして私の目での判断からすれば恐らく今作もダンスのモーションは「手付け」である。恐らくというは手付けにしてはモーションがかなり自然だからである。かなりと言うからには当然不自然な、違和感のある部分もあるのだがそれにしても前作とは雲泥の差である。手付けになるとどうしても細かい揺れやブレといったものが表現しづらいのだが第1話を見た限りでは前作にあった動きの硬さはかなり軽減されている。もしこれが手付けで行われたものであるならば大したものである。手付けだと思った点としては、二人とも同一のモーションを基本としている事、部分的にだけモーションが異なる事、モーションキャプチャであるならば何故二人分のモーションを収録しなかったのか。という事などが挙げられるが正直どちらにせよこのクオリティならば気にする事ではない。

と、モーションについて7月6日の時点ではこんなような事を書いていたのだが、本編の放送開始前に放送していた「特別開校! プリパラ スクール」で制作会社であるタツノコに取材が行われていたようで、何とそこでは思いっきりモーションキャプチャーが行われているではないか。事前情報無しで観ようとしていたばかりに全くのノーチェックだったのだが何とも恥ずかしい限りである。

ただまあ負け惜しみとして言わせてもらうとあながち当ては外れていたワケでもなく前作「レインボーライブ」のモーションとの圧倒的な差を一見しただけで見分けられたというのは我ながら大したものであり、「もしかしたらモーキャプかも」という僅かなしこりは正しかったようである。ただ、既にモーキャプデータで6年間制作している「プリキュア」と比べるとまだまだ不自然さが残るのは確かである。本作からモーキャプに変更した明確な理由は分からないが、前作までのモーションの手付けが「アニメーターの育成」という理念であった事から、もうその段階を終えた事、それによるモーキャプと手付けの合わせ技による演出へと移行したというのが考えられる妥当なところだろうか。

と、ここまでが7月19日現在での私の考えだったのだが、これを書いている7月20日現在また新たな事実、というか完全に私のリサーチ不足によって判明した情報が出てきた。恐らくこれは「プリティーリズム・レインボーライブ アニメ公式ガイドブック」に既に記載されてた情報なのだろうが、何と前作「レインボーライブ」の時点で既にモーションキャプチャーは導入されていたのであったという。いや、もうね、穴があったら死にたい。この情報を知った時は完全に冷や汗をかいていて、悪い事にどや顔で「修正・追記」などと加筆修正した翌日だったのでなおさらである。ガイドブックについては値段が値段なので購入予定を立ててはいたのだが先延ばしにしていたツケがよもやこんな形で返ってくるとは、完全に誤算である。本シリーズに限らずアニメCGの記事については基本的に妄想・憶測・推測その他諸々で書いており、全ての情報を網羅するのが困難である以上情報、知識不足による勘違いをしてしまう事が往々にしてあるのだが今回のは流石に度が過ぎていた。修正前の本記事を読んでいた人には本当に申し訳ない。不幸中の幸いと言うか、今回のモーションについての部分は基本的に断定はせず「~と考えれる」程度に留めていたのでそこまで酷い事にはなっていなかった。正直、このモーション部分についての文章は白紙にして新規に書き起こしたい位なのだが今後の自戒の意味も込めてそのまま残しておく事にする。これを読んでいる人にも良い反面教師となってくれる事を願わんばかりである。

ただ、今回の情報を知った事によって遡及的に「レインボーライブ」のモーションの評価が変わるということは無い。「レインボーライブ」でモーキャプが行われていたという事はそれと比較して同じくモーキャプが行われている「プリパラ」のモーションがこれほどまでに自然になっているという事であり、寧ろこれは喜ぶべき事だと言いたい。

閑話休題。次にライブ演出として。
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今回、既にアイドルとして活躍しているみれぃと初ステージとなるらぁらだが、自分の声の大きさにコンプレックスを抱いているが故に歌声が極端に小さくなってしまう事に対して立ち向かい、同時にとりあえず場を乗り切らなければならないらぁらに対して、プロ意識をもってステージを魅せる意識であるみれぃの目線が観客に向いているというのが面白い。

シリーズ作ではあまりなかった「アオリ」の構図の多様。
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女児アニメにおいて下着が見えてしまう事は御法度であり、それを如何に上手く回避しながらライブの演出をするかというのはアイドルアニメの常ではあるが、今作では「人間の思い込み」と「目の錯覚」を利用する事によってアオリ構図のカメラワークの制限を上手く回避している。どういう事か分からない人は実際に映像を見て考えてみよう。結構単純な話である。

そしてこれがシリーズ作と最も異なる部分「手持ちマイク」の存在である。
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私はアイドルを殆ど知らない+興味が無い(二次三次問わず)のでライブにおける手持ちマイクの存在意義については語れないのだが、基本的に手持ちのマイクというのは歌手、特に今現在のアイドルにとっては「枷」でしかない。当然である。手持ちマイクによって片手が塞がっていては振り付けもそれに準じたものにならざるをえないからである。しかし、それでありながら本作「プリパラ」はシリーズ作になかった「手持ちマイク」という要素をあえて取り入れている。これが何故かは分からない。これをもって何を表現したいのか、それを第1話で判断するのも無理な話である。ただこれだけは言える。「制限された中に生まれた美しさ」があると。
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マイクを持っている以上激しいパフォーマンスは難しい。そのため振り付けは自然とステップとポーズを基本としたものになる。特に歌っている最中は左手が動かせないので足のステップと上半身の捻り、右手の動きで表現する事となる。それ故激しい動きは無いのだが逆に動きが少ない分見た目が揃い易く、また今回のように二人の場合は横並びと言う点で動きが揃った時の見栄えが非常に良いので、結果としてマイクを持っているからこその整理された動きの美しさ、気持ち良さが生まれている。特に左右のステップが揃っている時などは見ていて本当に気持ちが良い。
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振り付けについてだが見ていて何故こんなに気持ちが良いのかと考えていたのだが、これは恐らく拍(カウント)の取り方にある。サビの「♪Make it! ドキドキするとき無敵でしょ♪」を見ると分かりやすいのだが、ここでは2拍毎に振り付けが分かれており、これによって動き毎のメリハリがはっきりと出ているので体でリズムを取っているのも相俟って非常にリズム感のある振り付けになっている。「Make it」のダンスは左右のステップを基本としているので視覚的にリズムが表現出来るというのが気持ち良さの大きなポイントとなっているのだろう。イントロとアウトロで動きを揃えているのもダンスとして納まりが良い。

作画と3DCGの合わせ技のラブライブ、フルCGで販促全開のアイカツ、そして生まれ変わったプリパラ。それぞれアイドルダンスに対するアプローチが異なり、それ故それぞれに良さが生まれているが中でも今回のプリパラ第1話のライブパートは個人的にはかなりクリティカルな映像になっている。既に60回位は見ているだろう。ダンスの気持ち良さ、歌の気持ち良さ、ライブ演出、アイドル演出。正直第1話からこれ程のモノを出してしまって大丈夫なのかと思ってしまうが、前作の終盤の盛り上がりを考えればそれも杞憂に終わってしまうのだろう。

ラブライブ2期が終わり(未だ観てない)、劇場版が決定し、アイカツも劇場版が待ち構え、新生プリパラがアイカツの迎撃体制に入る等、アイドルアニメ戦国時代はまだまだ続きそうだが後半戦に突入するプリキュア含め下半期のアニメCGも目が離せない事になりそうである。

因みに今年の3月に劇場公開された「劇場版 プリティーリズム・オールスターセレクション」がこの度BDとして発売されたのだが、シリーズ作のBD販売が予定されていない現在、本ディスクは唯一の高画質視聴媒体であり同時に「オーロラドリーム」から「レインボーライブ」の3年間のアニメCGの技術の変遷が確認できるという非常に資料的価値の高いモノになっているので、私のようにシリーズ作を殆ど観た事がない人にもオススメの内容になっている。


続き「プリパラ」における3DCGのライブステージ演出。part.2


アニメCG関連過去記事

プリパラ
「プリパラ」第22話「HAPPYぱLUCKY」におけるライブステージ演出。

アイカツ!
「アイカツ!」第71話 霧矢あおいの「prism spiral」にみる振り付け。
「アイカツ!」アニメ3期における3DCGライブ演出の展望。
「アイカツ!」第103話 氷上スミレの「タルト・タタン」での3DCGライブ演出。
「アイカツ!」アニメ3期の3DCGモデルに見られる変化
『アイカツ!』第118話 藤原みやびの「薄紅デイトリッパー」における3DCGライブ演出。
『アイカツ!』第123話 大空あかり「Blooming♡Blooming」における3DCGライブ演出。
『アイカツ!』第124話 北大路さくら「Blooming♡Blooming」におけるセルルック表現。
プリキュア
1/5 フレッシュプリキュア! のEDダンスについて
2/5 ハートキャッチプリキュア!のEDダンスについて
3/5 スイートプリキュア♪のEDダンスについて
4/5 スマイルプリキュア! のEDダンスについて
5/5 ドキドキ!プリキュアのEDダンスについて
6/5 ハピネスチャージプリキュア!のEDダンスについて
7/5 補足
Go!プリンセスプリキュアのEDダンスについて
『Go!プリンセスプリキュア』3DCGモデルによるセルルック表現
ラブライブ!
「ラブライブ!」ライブシーンの3DCGの演出について
「ラブライブ!」2期 第6話挿入歌「Dancing stars on me!」の演出。

アイドルアニメのCGライブパートランキング 2014
『file(N)-project PQ』ダンスアニメーションPVの演出について




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