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「プリパラ」第22話「HAPPYぱLUCKY」におけるライブステージ演出。 [アニメCG]

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プリパラの構成は主人公である真中らぁらのアイドルユニット「SoLaMi SMILE」とライバルである「Dressing Pafe」の対決を主軸にし、そこへ物語を組み込む形となっている。

対決=対バンライブ形式が基本となるため両ユニット結成後のライブステージは基本的にというか当然ユニット毎で行われる。らぁらとみれぃ「Make it!」に始まり、そふぃの「太陽のflare sherbet」、「ま〜ぶるMake up a-ha-ha!」、そして「Pretty Prism Paradise!!!」に対する「NO D&D code」と、プリパラでは基本的に個人曲は無く、特にユニット結成後でユニット以外のライブステージが行われたのは21話での「太陽のflare sherbet」だけで6話以降は殆どが対バン形式でのライブステージとなっていた。そのためユニット結成後はそれ以外の曲でのライブを行うのが物語上難しいという構造的な問題が浮上し、結果6話以降は特定の曲が何度も何度も繰り返されるという事になってしまった。
 これはプリパラのある種欠点でもあり、逆に特徴でもあった。
何故なら対バン形式を基本構造とするアイドルアニメが無かったからである。プリパラの三人ユニットに付随する問題点、それは「ライブステージ制作の手間」に尽きる。プリパラはライブステージの制作においてアクターのモーションをキャプチャしそれを基本に手付けでキャラクターのモーションを修正していくという制作方法をとっている。三人ユニットなのでモーションデータも三人分。

手付けによるモーション修正だけでなくフェイシャル(顔の表情)モーションの作成も三人分必要であり、それに加えてライブステージの設定、エフェクト、ライティングなど環境設定も異なるライブ毎に行う必要があり、加えてメイキングドラマやサイリウムチェンジもある。そして一番重要な要素である「衣装」も毎回変わるのでその制作もする必要がある。これらを「SoLaMi SMILE」とライバルユニットである「Dressing Pafe」の両方で行う必要がある。そして制作は基本的にタツコノプロ内製で行っている。

アニメCGを採用しているアイドルアニメは数多くあるが今までに色々見てきている人であればプリパラの「三人ユニットでの対バンライブ形式」というのが特殊であるという事は良く分かるだろう。その物量ゆえに頻繁に新作は作れないが、反面物量と圧倒的なまでの「ライブ感」は他のアイドルアニメが太刀打ちできないものになっている。

プリパラのライブはプリリズのライブステージの流れを汲む様に、中央にランウェイが伸びその先に円形のお立ち台がくっついている構造をとっている。そのライブステージの周りの隙間を埋めるように観客が配置され、観客は基本的に「黒塗り」にされ振っているサイリウムだけが光っているという没個性的な演出をされている。物語の演出上で手書きの作画が挿入される時があるがそれ以外は基本的に観客に個性付けはされないようになっている。プリパラの強みはコレである。

黒塗りで輪郭すら描かれずサイリウムだけが振られる。観客に個性が無いので観客席はそのまま視聴者の視点と自然に同調出来るのである。サイリウムチェンジ後はライブハウスそのままのレーザービーム飛び交う過剰なまでの照明演出がなされ、さらにお立ち台ステージが浮上するので視聴者側のライブ感も増幅するようになっている。第1話の「Make it!」を観た時から感じていたが23話まで観た今でも他の作品に対してのライブ感の強さは変わらない。

ライブステージが物語と密接にリンクしていた、もっと言えばライブをすることそれ自体が本編の物語だった「プリティーリズム」三部作に対してプリパラでは主軸となる物語に対するライブステージの意義はそこまで強くない。従来のファンでそこに不満を持っている人は少なくない筈である。しかしプリパラのライブステージのこの圧倒的な物量によって演出されるライブ感は正に唯一無二のものと言える、正にプリパラの個性である。

上記の事を理解した上で既存曲が繰り返される事に若干の苛立ちを感じていたそれまでだったが、22話で漸く新曲が発表された。SoLaMi SMILEの「HAPPYぱLUCKY」とDressing Pafe「CHANGE! MY WORLD」である。


これがもうテラコズミック素晴らしくて、それまでの不満が完全に吹き飛んでしまった。特に「HAPPYぱLUCKY」は帰国後の12月7日に放送分を観たばかりなのに余りに気に入り過ぎて既に何十回と観てしまった位で、個人的にはラブライブ2期の「dancing stars on me」以来のクリティカルなライブステージだった。

「HAPPYぱLUCKY」はSoLaMi SMILEのコンセプトでもあるポップでキュートな楽曲そのものではあるが最近でいうところの「きゃりーぱみゅぱみゅ」的な構成に近い曲になっている。打ち込みを基本とし、イントロでのグロッケンと弦楽器のみの構成で静かに始まりスネアやティンパニ、ベーズなどが徐々に集まり賑やかになる。ここの音の構成によって「ポップでキュート」な印象に収まらずオケ的なスケール感が加味されているのが非常に良い。

何よりこのイントロでの振り付けが最高すぎる。
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静かに始まるイントロからのらぁらの優雅な手の振りと「けんけんぱっ」のステップで左右から表れるみれぃとそふぃの対比。両手を広げる時に首をちょっとかしげているのがポイントである。そしてそこからのトライアングルでのけんけんぱっステップ。センターを入れ替わる毎に決めるウインクしながらのポーズに加えてのシンメトリーな振り付けはシンプルでありながらキャッチーであり見た目にも気持ち良い。このイントロでの一連の流れは曲調と相俟って言葉に出来ないような高揚感、幸福感があり、対バンライブであるという事を忘れさせてしまうような包み込まれる印象を受ける。イントロは観ていてこみ上げるものがある程で正直言葉で表現出来ない。
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そして特筆すべきはサビでのステージの空間を意識した配置だろう。
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この「ステージ上を移動する事によって生まれるライブ感」も本当に素晴らしい演出で、これによって今までになかった没入感が生まれており正にライブを観ている、ライブ会場に居るような感覚を生み出すことが出来ている。またサビでの「がに股ダンス」。多分コレ賛否があると思うが個人的には大歓迎で、これ何が良いってこの振り付けだけは一度見たら絶対に忘れない様に強烈に印象付けされるからである。「ま〜ぶるMake up a-ha-ha!」もそうだったがインパクトのある振り付けというのはそれだけで勝ちである。余談だがAメロでのソロパートのみれぃがいつも以上に可愛く見えるのは気のせいなのだろうか。

「HAPPYぱLUCKY」は「dancing stars on me」に雰囲気が近い。兎に角歌って踊っている彼女達自身が楽しそうに見えるので勝敗を超えた様な大きな印象を与えるライブステージになっている。

この22話の新曲「HAPPYぱLUCKY」と「CHANGE! MY WORLD」は本当に素晴らしい。どちらのパフォーマンスも三人である事を生かした振り付けがなされているのでユニットである事の必然性、チームワーク、そしてなによりそれらによって生まれる人間性、アイドル性、ライブ感が表現できている。
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ここまで言葉で記してきたが正直「HAPPYぱLUCKY」の素晴らしさは言葉で言い表せない。楽曲、振り付け、演出のそれぞれが本当に素晴らしくそれらの相乗効果で本当に最高なライブステージになっている。個人的には2話の「Make it!」と並んで、いや超えたといっても良いかもしれない、待ちに待った甲斐のあるモノになっていたと言える。ファルルの登場も控えますます今後のライブステージが楽しみである。

因みに「HAPPYぱLUCKY」の作曲・編曲担当である中村瑛彦は1992年生まれの22歳。今後が楽しみである。



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