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『アイカツ!』第123話 大空あかり「Blooming♡Blooming」における3DCGライブ演出。 [アニメCG]

0.jpg先日放送された125話の時点で大空あかりの先輩であり前期の主人公でもあった星宮いちごが物語の主軸から実質的に退場する事となり、4月からはあかりを含めた中学生組の物語が本格的なスタートをみせる事となる。現在の主要メンバー4人に加えて新キャラも加わるとの事なのだが、アイカツというコンテンツの舞台装置として機能していた神埼美月的存在が不在の中この先どのような物語が紡がれていくのだろうか。そして服部ユウは一体どうなってしまうのか。

第123話「春のブーケ」ライブパート
大空あかり / 「Blooming♡Blooming」
サンベリーナブーケコーデ / Dreamy Crown



花をモチーフに親指姫をイメージしたプレミアムドレス「サンベリーナブーケコーデ」。楽曲はそのドレスのイメージとは異なり、サビのビバップを基本にイントロやアウトロでハウス的アレンジが加えられたアグレッシブなジャズナンバー「Blooming♡Blooming」。そういえばOP曲の「Du-Du-Wa DO IT!!」もビバップをベースとした楽曲だった。

第102話の「Let's アイカツ!」に始まり「永遠の灯」「Du-Du-Wa DO IT!!」「はろー! Winter Love♪」など3期に入ってからの大空あかりのライブステージはどれもクオリティが高く非常に見応えがある。セルルック的な観点からもライティングやフィルターの有無によって毎回質感が変わってくるのでなかなか興味深い。といってもそこまで劇的に変化するワケでもなく、その点で言えばこの「Blooming♡Blooming」もセルルックの観点から言えば特段言うべき事も無い。では今回何故取り上げたかといえばそれは勿論別の観点から特筆すべき点があったからである。


あかりがスターライト学園に編入してからおそらく数ヶ月が経っているのだろうが、最初こそ歌う事、踊る事に精一杯で自分の事しか見えていなかった状態だったが、プレミアムドレスを着てステージに立っている今ではアイドルとしての自覚が芽生え始めたのか「演じる事」を意識したようなパフォーマンスが見られるようになった。
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「Blooming♡Blooming」での登場時の一礼がその最たるものである。
演者が演目を演じようとするその「意識」。プレミアムドレスの御披露目ステージという事以前に観客を楽しませるアイドルとしての意識。76話で登場して以来様々な試練や特訓を経て技術的に成長してきたあかりだが、技術だけでは身に付かない、観客を意識したこの一礼こそがアイドル大空あかりとしての何よりの成長の証だろう。これを見た時は正直結構嬉しかった。

03.jpgそしてイントロでのこの弾ける様な笑顔である。
以前3期における3DCGライブ演出の展望としてOPでの3DCGパートの笑顔に言及していた際に本編でもこれに近い笑顔が見れないものかとやきもきしていたのだがここにきて漸くである。スミレでもひなきでも珠璃でもない。アイドルアニメの主人公たらしめる純真さを持ったいちごの特性を受け継いだあかりにこそ似合う底抜けに明るい笑顔。編入試験の際お世辞にも出来が良いとは言えなかったあかりのパフォーマンスに対して「私にはアイドルに見えた」といちごに言わしめた、技術では補えないあかりをアイドルたらしめるその「アイドル性」がこの一瞬の笑顔に表れている。大空あかりが何故今期の主人公なのかはこれをみれば明らかだろう。


「Blooming♡Blooming」で特筆すべき多くの点はモーションにある。
アイカツのライブステージはアーケード筐体として稼動しているゲームのライブステージ用に収録されたモーションを基本にアニメ用に修正していくという手順をとっている。元のモーションデータが実際にアクターの演じたモノなのでそれを適用する3DCGモデルがそれらのデータにどれだけ対応しているか、つまりは3DCGモデルの精度の有無と後はアニメ用にモーションを修正するアニメーターのセンスの如何によってアニメのライブステージのデキが左右される事となる。元のモーションデータに対する修正の按配についてこればかりは妄想、推測、憶測の域を出ないのでここから先はあくまで「そう見える」というレベルである事を御留意頂きたい。

04.jpg先ずイントロで両腕を交互に挙げる動作。人体は骨格とそれに付随する筋肉等の組織によって指先一つの動作でも必ず他の骨や筋肉が連動して動くものであり、アニメの作画の基本として「右腕を上げたら左肩が下がる」というのは良く言われるところである。そこにおいてこの動作では右腕、左腕をそれぞれ垂直に伸ばした際、反対側の肩だけでなく上半身全体が傾くようになっているのが分かる。



「♪膨らんでもっと~♪」で左を向く際身体は正面に対してやや斜めに立っており、首から下の姿勢を維持しながら首だけで左を向いているので特に背中に回した左手が首の動作に釣られて僅かに動いているのが見れ取れる。人体の構造上首と肩は筋肉が連動しているので左を向けば肩も左に向くのが普通である。右も然り。この場合、ステージ正面に対して首から下の姿勢を維持しながら左を向いているので首から下の意識は首とは反対側に向こうとする。そのため背中に回した左手は首とは反対方向に動いているのである。その後の足を上げる動作を見てみても足を上げる前に上半身を僅かに反らせており身体全体の筋肉を使っている事が分かるようになっている。

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「♪おしゃべりな~♪」での前傾姿勢。3DCGモデルによる腰周りの駆動というのは演出如何で違和感が出やすいものだという印象があるがここはかなり自然に見える。何故前傾姿勢でこんなに違和感がないのかと考えたのだが、良く見ると左から右を向く際に膝を曲げて重心をとっており腰を軸にして上半身の動きに合わせて下半身でもバランスをとっているのが分かる。足元が若干内股になっているがこの女性らしさを感じさせる記号的な仕草も違和感を軽減している一因なのだろう。

続く「♪弾む心リンクしてる♪」では最後の左足を勢い良く出す時、右足に重心を移動させる際に一瞬だけ体が宙に浮いており、左足を引き寄せる時も右足に重心がかかっている感じが良く表現できている。この自然さは少なくとも100話以前では見られなかったものである。

Back=コマ戻し、Play=再生、Stop=一時停止、Next=コマ送り
ドラッグ操作も可能

06.jpg「♪夢がはしゃいで♪」では手の動作に合わせて首が動いているだけでなく良く見ると視線も手の位置に合わせてしっかり動いているのが分かる。「Blooming♡Blooming」では他のライブステージに比べて目の表情が非常に豊かになっており、上記のような視線の動きだけでなく瞬きやウインクなども積極的かつかなり計算されて行われているので注意してみるとなかなか面白い。



「♪歓迎された今日が~♪」における髪の揺れ。以前から何度か言ってきたが3DCGモデルによるダンスというのは揺れモノそれ自体が躍動感に繋がるので多いに越した事はない。そしてこの部分の揺れはアイカツのライブステージ史上でもトップクラスに入る位気持ちが良い。後ろに振り返る時に後ろ髪が遅れてフワっとなびく感じも素晴らしい。セミロングで毛先の癖が強いあかりの髪はその癖の強さによって髪の束一つ一つの形がはっきりしているので他のキャラに対して髪の毛に躍動感がある。長過ぎず短過ぎず。程よいボリュームのあるあかりの髪は「Blooming♡Blooming」のようなアグレッシブなダンスのあるライブステージにおいて非常に効果的である。


「♪いつもより~♪」での足の動きの自然さは本当に良く出来ている。こういった片足だけでリズムを取る動作は他作品も含めて今までに何度も登場しているのだが、成功しているものは中々少ない。3DCGモデルのモーション全般における重量表現というのはハリウッド大作映画においても今尚続いている課題であり、そこには当然アイカツも含まれる。

123話まで観てきた中でも重量表現の成否が露骨に出てしまう振り付けは今までに何度かあり、当然ながら初期の頃は全く表現できていなかったのだが、特に3期に入ってからのモーションにおける重量表現の改善の度合いは目覚しいものだった。110話の「Passion flower」と118話の「薄紅デイトリッパー」を観た人ならお分かりだと思う。

ここの振り付けの何が凄いかって、本来足というのは骨盤で繋がっているので両足の動き、特に高さに関しては骨盤と無意識に連動してしまうものである。なのでこのGIFの様な片足を上げる動きをする時は普通なら左足を上げると右足も釣られて伸びてしまい身体が伸びてしまうものなのである。しかしこのGIFでは左足を上げた時右足の膝は曲がっており身体は沈んでいるのである。これは意識して行わないと出来ない動きであり、それはつまり筋力を必要とする動きである事を意味する。

おまけに上半身では曲のリズムに合わせて左手でコンパクトを持ち右手でファンデーションを当てているのである。これを読んでいる人は是非今すぐこの振り付けをやってみて欲しいのだが、はっきりいって結構難しい。これを「Blooming♡Blooming」というライブパフォーマンスの一連の動きの中で当たり前の様に行っているのだから、あかりのダンスの技術的なレベルは入学時から相当上がっている事が分かる。そして何よりこの難度の高い動きの重量表現を自然に見せる事が出来ているという事それ自体がアイカツの3DCGライブステージの技術レベルを示していると言える。

そして最後に左足が着いた時、良く見てみると次のステップへの予備動作として右足のつま先を軸にして膝を少し曲げて踵を外側へ僅かに回転させているのが分かるだろうが、この時踵を回転させるためにそれまで右足にかかっていた重心を左足が着いた瞬間に移動させ、踵を回転させた後瞬時に重心を左足から右足に移動させているのである。つまり左足がついてからの僅か数フレームで重心が二回移動しているのであり、それが3DCGモデルのダンスで表現できているのである。これは凄い。ここまで自然な重心移動の表現はアイカツ始まって以来ではなかろうか。

その後の「♪私になれそう♪」での片足ステップ。

ここはスカートの柔らかい質感が表現されたフワっとした揺れによっても躍動感が出ており、支えている左足が4回とも跳ねる度に違う地点に着いている事によって片足でのステップによる不安定さという自然さが表現できている。先端のフリルがスカートから遅れて動いているのも躍動感にプラスになっている。
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直後のこのポーズは私には窓枠にもたれて顔を覗かせている様にしか見えず、個人的にはここだけで5億点である(オイ)。

スペシャルアピール後の「♪花びらに♪」。

ここも身体の動きに対してスカートとフリルが送れて付いて来る揺れの表現ができている。この指の僅かな反りや曲げた動きはおそらく手付けによる調整なのだろうが、今までになかったしなやかさや柔らかさが上手く出ていると思う。


前述した様に「Blooming♡Blooming」は目の表情が非常に多彩で目の表現を見ているだけでも面白いのだが、特にこのアウトロでの目の表情は良く出来ている。眉毛の動き、目蓋の閉じ具合、瞳の動き、揺れ。最後の目を閉じる直前の数フレームまで瞳が細かく動いており、ここだけ見ても「Blooming♡Blooming」において目の表情が意図的に演出されているのが良く分かる。

さて、「Blooming♡Blooming」のダンスのモーションについて色々と書いてみたが、モーションの自然さで言えば歴代のアイカツ全ライブステージ中で文句無しの一位である。これはわざわざ記事を書くまでも無く初見時でそう思った位、というか漸く諸手を挙げて絶賛できるモノが出てきたので評価云々以前に個人的に嬉しすぎてしょうがないのである。

自然な重量表現とダンスのモーション、見ていて気持ちの良いダンスの振り付け、ビバップによるノリの良いアグレッシブなジャズナンバー、そして大空あかりの可愛さ(待て)。もうね、言ってしまうけど大空あかりの「Blooming♡Blooming」は現時点で2015年における全アニメの3DCGダンスステージでぶっちぎりの一位である。マジで。


special thanks
大匙屋

続き第124話 北大路さくら「Blooming♡Blooming」におけるセルルック表現。



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